使用者の80%が知らない杖の正しい使い方・歩き方 | 転倒の原因にも
杖を使って来院される方に聞いてみると
毎日使っているにもかかわらず
80%の方が「正しいつえの使い方・杖歩行」を知りませんでした
「どうやって握るのか知らないんですよ」
「どっちの手に持つんですか?」
「階段ではどうやって使うんですか?」
間違った使い方では、痛みの悪化を防げませんし、逆に手首や腕を痛めたり、転んでしまう危険すらあります。
ここでは、「つえ(ステッキ)の握り方から歩き方」「階段での正しい使い方」を解説していきます。
※杖の「えらび方」を知りたい方は
⇒「失敗しない杖の選び方3つのコツ」
これが正しい握り方
痛む側とは逆の手で持ちます
正しい握り
この握りですと、腕と杖がしっかりと接続され、
なれてくると腕の一部のように扱えます
間違った握り
ちょっとしたことで転倒しやすくなります
歩き方
医師により意見が違い「3点歩行説」と「2点歩行説」とに別れるのですが、はじめて杖を使う方は3点歩行がおすすめです。
※歩くスピードを上げたい場合は2点歩行がおすすめですが、慣れが必要かと思います
3点歩行の歩き方
・まず杖から一歩分前に出す
↓
・「痛い方の脚」を一歩前に出す
↓
・「痛くない方の脚」を出す
練習方法
「左脚が痛い」場合
「杖 ⇒ 左足 ⇒ 右足 ※くり返し」の掛け声でやってみて下さい
2点歩行の歩き方
3点歩行に慣れたら、「2点歩行」を試してみて下さい
・まず、杖と痛い脚を同時に一歩前に出す
↓
・痛くない方の脚を出す
階段での使い方
つえは、普段は「痛む側とは逆の手」で持ちますが、
階段では、いったん反対の手に持ち替えて「手すり」につかまります。
階段で杖を使うと、かえって危険です。
上がり下りは手すりをしっかり持った方が安全ですし、ヒザにもやさしいです。
階段の「上り」
手すりを持って「痛くない方の脚から」上がります。
次に、「痛い脚」をあげて両脚をそろえます。
この繰り返しです
杖は、「手すりをつかまない方の手」で持っていましょう
階段の「下り」
下りも手すりを使いますが
今度は「痛い方の脚から」下ろします。
次に「痛くない脚」を下ろして両脚をそろえます。
※手すりが無いときは?
出来るだけエレベーターやエスカレーターを使いましょう。
それも無い時は、杖を使います。
この場合「痛む側とは逆の手」で杖を持ち、一段一段「ゆっくりと」上がり下りします。
足の出し方は同じですが、先に杖を出し、“足”と“杖”がそろって着地してからもう一方の足をはこびます。