【小・中学生】膝の下の骨が出て腫れてる | 痛みがある

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サッカー・バスケ・バレーボールをやっている小学生・中学生で、特に”ぶつけた”わけではないのに、

「膝の下の骨が出っ張っていて痛い」
「ひざの骨が”こぶ”のようにポッコリとふくらんでいる」

などがあったら「オスグッド・シュラッター病」かもしれません。

大人になってから再発、手術という方もいますが、
注意するべきことを守れば手術をしない保存的治療でほとんどの子が治っています。

オスグッドの子どもたちを指導して分かった「オスグッドを治す大切なポイント」「やってはいけない3つのこと」「自分でできる改善方法」などを説明していきます。

また、

  • 部活、休みたいけど休めない
  • 背が伸びなくなるって本当?
  • ただの成長痛だから病院行かなくていいよね?
  • スポーツしない人もなるの?
  • 出っ張った骨は元に戻らないって本当?

などの疑問はオスグッド病 | 病院でよく聞かれる質問へ。

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医師がオスグッドと診断する基準はこれ

実際にドクターが「これはオスグッド病だ」と診断するのは、以下の症状があるときです。

  • 運動中や終了後、または曲げたり伸ばしたりで、ひざの下(膝蓋腱がすねの骨に付いている部分)が痛む
    オスグッドの出っ張り

  • 上記の部分が腫れ、骨の出っ張り(骨性隆起)がある
  • 実際の現場では、子ども本人に「どこが痛い?」と質問しても痛む場所が分からない子が多い。「この辺かな~?」と関節の全体を示すだけ。膝の下を押して初めて「そこが痛い!」と場所を自覚する子が多い
  • レントゲン検査では、脛骨(すね)の上部に象の鼻のような骨隆起変形がみられる ※初期の段階ではレントゲンでは分からず、MRI検査が有効な場合もあり。
    オスグッド レントゲン

    14歳 男子の右ひざ

オスグッド病の本当の原因とは

わたしが在籍していた整形外科では、医師が、
「スポーツのやり過ぎで、ひざの下の骨が筋肉に引っ張られて出っ張って痛いんですよ」と説明していました。

こう聞いた方も多いのではないでしょうか。

しかし、この説明には間違いがあります。

オスグット病は、筋肉と骨のつなぎ目に負荷がかかり炎症を起こしています。
だから痛いのです。
また、スポーツをやっていない子でもオスグッドになる子はいます。

「筋肉」や「骨」など、性質が違うものが連結して動くと、どうしても”つなぎ目”で負荷がかかります。

成長期は身長(骨)が急激に伸びますので、骨の成長に筋肉が追いつかない事が多く、さらにひざ下の脛骨粗面が軟骨なので余計に負荷がかかってしまうのです。

また、整形外科ではあまり言われませんが、
太ももの前の筋肉に”しなやかさ”が失われると、オスグットになりやすいのです。
筋肉が、ゴムのようなしなやかさを失い硬くなってしまうと、脛骨粗面(ひざの下)へかかる負荷も増すからですね。
筋肉が硬いと怪我をしやすく動きも硬くなります。

つまり、スポーツが直接の原因ではないのです。

なぜ”しなやかさ”が失われるのでしょうか?

理由:1
猫背気味の子は骨盤が後傾しがちなので、ももの筋肉が硬くなりやすいのです。

猫背なのかどうか、試しにカベに背を向けて体をつけて立ってみてください。
後頭部、背中、お尻の全てがカベについていますか?
もしくは、付けるとかなり不自然な感じでつらいですか?
だとしたら、すでに猫背になっています(お尻だけついてしまう人は、逆に骨盤が前傾すぎます)

「猫背改善かんたんな3つの方法」を下で説明しています。ぜひ、自宅で行ってみて下さい。

理由:2
「ストップ&ダッシュのトレーニング」や、筋肉が瞬間的に伸び縮みする運動、つまり「ジャンプを多用するトレーニング」も原因になります。

本来、太ももへの衝撃が大きいジャンプ系パワートレーニングなどを本格的に行うのは、筋肉や骨などの成長が完成してからが望ましいとされています。
これには医学的な理由があるからです。

また、過度な筋トレも同様です。

治す方法は? 痛みが消える方法教えて!

「治るんですか? 」
と、よく聞かれますが、オスグッド病は、発見・対策が早ければ早いほど治りやすいです。
対処が早ければ、スポーツを続けながら治療する事ができます。

急に大きな痛みが出るわけではありませんから、初期症状は痛みは無く違和感や腫れた感じがする程度です。

■つねにチェックしておきたい2つのこと

  • 脛骨粗面を押して痛みがあるか?
  • 屈伸をすると膝に痛みがあるか?

ですから、「おかしい」と感じたら、まずは「正確な診断」です。

早めに病院に行った方がいいでしょう。
それに対して適切なケアをすれば早めに痛みも消えますし、自然に治ります。

走っても痛みが無く、ひざの骨の出っ張りを押しても痛くないのなら「完治した」と言っていいでしょう。

しかし、
成長とともに自然に治るオスグッドと、治療が必要または手術(まれですが)という場合もありますので、
まずは、やはり「正確な診断」が必要です。

整形外科を受診し、レントゲンなどで骨の状態を確認して(上でも説明しましたが)まずは「正確な診断」を受けます。
自分で対処するのはそれからです。

まれに、重大な病気が隠れている場合もありますから、めんどくさがらずに1度は病院へ行って下さいね。

オスグッドと似た症状の病気はこんなにあります(全て原因や多発年齢が似ています)

  • シンディング・ラルセン・ヨハンソン病(ひざのお皿の下側の縁が痛むので場所が似ています)
  • 有痛性分裂膝蓋骨(ひざの皿が分裂して痛む)
  • 膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
  • タナ障害(若い世代で激しいスポーツを行う人に多い)

「治す薬なんてあるんですか?」

これもよくある質問ですが、オスグッドに対し病院で出る薬は、「貼り薬」「塗り薬」「消炎鎮痛剤」です。
現在は、「直接、オスグッドを治す薬」はありません。

消炎鎮痛剤は、痛みを抑える効果はあります。
「治そう!」と思って飲み続ける人もいますが、オスグッドそのものを治すわけではないのです。

「どうしても痛みを取らないと困る」というときにだけ飲めばいいのです。
ただ、小・中学生に消炎鎮痛剤を出すドクターは少ないと思います。

もちろん、ほうっておいて良い訳ではありません。

以下、オスグッドを治す大切な4つのポイントです

  • 運動量のコントロール
  • 運動前後のウォーミングアップとクーリングダウン
  • 猫背の人は改善を
  • 適切なストレッチ

運動量のコントロール

早く回復させるには、やはり運動を制限します。
初期の段階なら「筋肉をしなやかにするストレッチ」と「運動の制限」でかなり改善されます。

かなり骨が出っ張り、痛みもひどいようなら一時休止します。
とはいっても、そのスポーツを辞めるわけではありません。治れば、また再開できますし、長く続けて行くことも出来ます。

ですから、「今」、しっかり治しておくことが重要なのです。”お子さんのために”将来を見すえた治療です。
初期の段階なら、運動を休んだだけで治ってしまう子も多いのです。

また、サッカーなどでは軸足にオスグッドが多発しています。

どうしても効き足でばかり蹴ってしまうので、左右の負荷が偏ってしまい軸足に頻発してしまうのです。
サッカーを続けながら治すポイントは「軸足の意識」です。

ほとんどのスポーツは、効き足を軸として身体を動かし体重も掛けていきますから、それだけ負荷も掛かるということですね。

まだ成長期なので、指導者と相談して左右のバランスを均等にして「利き足ではない方の足の使い方」を見直すことも大切です。

猫背改善 かんたんな3つの治し方

  1. 普段から、頭頂部にヒモが付いていて(操り人形のように)上から吊り下げられているイメージで背筋を伸ばしておきましょう。
    猫背の人はアゴも前に出ていますから、アゴを引くことも忘れずに。
  2. 肩甲骨まわりが固く動きにくくなっています。肩甲骨の間にある菱形筋(りょうけいきん)を動かしてあげましょう。
    手を肩につけたまま腕全体を回しながら、意識して肩甲骨を動かしてあげます。
    難しい場合は片方ずつ行って下さい。
    猫背改善のエクササイズ1

  3. 両手を後ろで組み、背骨をしっかり伸ばすようにして下さい。
    無理に背中をそらすのではなく背骨をまっすぐに起こして背骨の真上に頭が乗るイメージで。
    時間は一呼吸くらいで。
    猫背改善のエクササイズ2

2と3の運動は、筋肉が温まっているときが効果的ですので入浴後に習慣のように行って下さい。

2つの大切なストレッチ

※痛む時は無理に行わないで下さい。

1:コチラでも紹介した「膝痛にも効くストレッチ」
効能:ひざの前と後ろ、太もも(大腿四頭筋)の強化と関節の柔軟性をつける。
    足首とふくらはぎ(腓腹筋)の柔軟性と強化。血行の改善。

ひざを伸ばしてあおむけに寝る(または低めのイスに座りひざを伸ばす)

ひざを伸ばしたまま、ゆっくりと足先を自分の方へ反らす(足を起こす)

指も思いっきり起こし、太ももに力をいれたまま5秒維持

オスグッド治療のストレッチ

次に逆方向。
今度は床(下)へむかって、ゆっくりと足先をのばしてゆく

足のウラにシワがよるくらい指を曲げるように、力一杯のばす

ふくらはぎに力を入れたまま5秒維持

これを20回くりかえし、それを1セットとし、1日に2~3回行う
オスグッド治療のストレッチ2

2:お風呂の中での正座

お風呂でお湯につかった状態で正座します。

お湯で体が温まってくると固くなった筋肉や腱がほぐれます。
さらに、お湯の浮力があるので、ひざの負担も軽くてすみます。
また、血流が良くなっているので「痛み物質」の排出も促進されます。

たっぷりのぬるめのお湯に浸かる

温まってきたら、1~2分正座する
オスグッドの正座ストレッチ

※痛む時は、浴槽のふちに両手でつかまり、痛みの無いところまで膝を曲げていき、10秒保持。
これを2~3回くりかえす。

現場でよくある質問

■「ストレッチは何日くらい続けるのですか?」
ストレッチの効果が現われるまでには個人差があります。
痛んでいた期間が長かった子は、それだけ痛みが取れるのも時間がかかります。
それ以上たっても痛みが取れない時は方法が間違っていたり痛みの見極めが違っているのかもしれません。
この場合は、あらためて専門医にご相談下さい。

■「病院で出された薬は飲んでいた方がいいのですか?」
痛みが強いなら、一時的に消炎鎮痛剤を飲んでもいいと思います。
ただし、長期間飲み続ける事はおすすめしません。
貼り薬は、楽になるなら貼りましょう(子どもの場合、精神的な安心感を持つ子も多いです)
勘違いされている方が多いのですが、「冷たいシップ」は患部の温度を下げて冷やす訳ではありません。
「冷たく感じる成分」が入っているだけですから、たとえばお風呂上りに貼っても大丈夫なのです。

■「オスグッドの膝サポーターは必要ですか?」
無くてもかまいません。
膝サポーターはその名のごとく、あくまで「補助」です。
たとえば、「どうしても出場しないといけない試合がある」という場合。
試合中だけ「一時的に」装着します。
確かにサポーターを付けると痛みは緩和されます。
緩和されますが、「治った」わけではありません。動けるからといってそのまま続けていれば悪化するだけです。
応急的なものだとお考えいただき、上手に使って下さい。

オスグッドでやってはいけない3つのこと

  • 出っ張りを押す
    ポッコリと骨がふくらんでいるので、戻したくて思わずグイグイ押してしまうのですが、これは患部の炎症を増大させるだけです
  • 筋トレ、ジャンプ、ストップ&ダッシュ
    上でも説明しましたが、良くなるまでは控えましょう(または最小限度に)
  • いつもアイシングをしている
    運動直後は炎症を抑えるのに効果的なアイシングでも、長時間はいけません(10~20分で十分です)
    基本は、お風呂などにゆっくりつかり温めることです(温めて痛みが増すなら中止)
    アイシングを行うタイミングは、運動後のクーリングダウンのストレッチを行った後にして下さい。

手術と再発

オスグッド・シュラッター病は(長くかかる子でも)骨化の終わる高校生くらいで改善しています。

しかし、
治ったからと言ってすぐに激しい運動を行うと再発しやすいのです。1~2週間程度をかけて慣らして言って下さい。

■手術が検討される例

痛みが長期間続いたり、骨片が完全に分離してしまった例、または、そのまま骨片が残ってしまった「遺残性オスグッド・シュラッター病」や、いわゆる「プロ」を目指すような場合では手術も検討されます。

もし、そのような場合はスポーツ障害のメカニズムをよく理解しているスポ ーツドクターのいる病院が望ましいです。
そのような医師なら、「復帰の時期」などを的確に選手やコーチと相談し決定できるでしょう。

セカンドオピニオンも必要になってきますので、ぜひ、こちらを参考にして下さい。
 ⇒大学病院の欠点と手術ランキングのウソ!上手な病院の変更方法

 ⇒手術の「怖い」を克服?医者の「上手な選び方、失敗する選び方」

手術をして、以前と同じように使える状態になるまでに、
いわゆるアスリートで3ヶ月、学生で半年~1年、一般の成人で1年位が目安です(個人差はあります)
この長期間のほとんどは手術後のリハビリにあてられますので想像以上に大変なことだとご想像がつくかと思います。

■手術後の筋力

スポーツで「筋力」というのは競技パフォーマンスに直接影響する重要な部分です。
手術後に筋力が戻らないと復帰困難なスポーツもあります。

つまり、リハビリテーションの中でも最重要ポイントが筋力トレーニングになります。

以上のように、初期の段階でしっかり治しておかないと、成人してからの激しい運動などでの再発や数年後また痛みが戻る事もあります。

オスグッド病は「ただの成長痛」として軽く見られ、回復を遅らせるケースも多いので、放置せずしっかりと治しておきましょう。

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